MCI とは認知症の初期段階の状態を表す医学用語です。
軽度認知障害をMCIと言うのですが、MCIについて間違った認識をされている方も多いようです。
また MCIは自宅で簡単にチェックする方法もあります。世界一受けたい授業で紹介していた【スマヌ法】もその一つです。
MCIのチェック方法やスマヌ法について、また家庭でできるMCIの予防方法についてまとめてみました。
MCIとは?
世界一受けたい授業に出演されていた東京医科歯科大学特任教授の朝田隆先生は、MCIについて「勘違いされてる方が多い」と、おっしゃっていました。
MCIは軽度認知障害と言いますが、認知障害といってもはっきりと認知症の傾向が見られるという状態ではなく、認知機能が少し悪い状態を言うそうです。
軽度の認知症と聞くと「認知症が軽い状態」と思いがちですが、MCIはそういう状態にも至っておらず、日常生活に支障はない状態です。
しかし、生活に支障のない状態の中でも、いくつかの【認知】が悪くなっている場合、MCIであると診断されます。
MCIの精密なチェック方法
MCIは病院でチェックすることが可能です。日本全国約400箇所の病院では、MCIかどうかを血液検査でチェックすることも可能です。
認知症は脳内にアミロイドβという物質が溜まることで起こるのですが、血液検査ではアミロイドβを処理するタンパク質の量を調べることで認知症予備軍であるかどうかがわかるのです。
しかし簡単なチェックなら病院に行かなくても行えます。
MCIの簡易チェック方法と【スマヌ法】
MCIの簡単なチェック方法として、以下の質問にどれくらい当てはまるかをチェックする方法があります。
チェック法の結果については、二個以下であればそれほど問題ではありませんが、三個以上当てはまる場合は、病院で精密なチェックをしてもらった方が良いです。
なお、下記のMCI簡易チェック方法は、世界一受けたい授業で紹介していたチェック方法です。
病院で行うMCIテストとは異なります。
MCI簡易チェック質問表
水道水を出しっぱなしにする
気づかずに同じ商品を買うことが増えた
「あれ」「これ」などを使って話すことが増えた
外出が減った
服装など身の回りに無頓着になった
趣味が楽しめなくなった
家電製品やスイッチ操作にまごつく
会計時に小銭を使わなくなった
今日の日付が出てこない
上記は症状から見たMCIチェック質問表です。ここ1、2年で上記の症状が3個以上現れた場合は要注意です。
スマヌ法のやり方
カタカタの【ス】【マ】【ヌ】を指で背中に一文字書いてもらい、何が書かれたかを当てるテストです。
スマヌ法で背中の書かれた文字を当てることで、感覚機能が低下していないかどうかを調べます。
MCIが進んでいると感覚機能が低下しているため、背中に書かれた文字を認識することが難しくなるのです。
【ス】【マ】【ヌ】は似たような文字です。MCIになると背中に書かれた、これら似たような文字の識別ができなくなります。
- 椅子に座ります
- 背中に【ス】【マ】【ヌ】を指で一文字書いてもらいます
- 何が書かれているかを当てます
スマヌ法は6回行います。各文字はもちろんランダムで書きます。3回以上間違える場合はMCIの疑いがありますので、病院でチェックしてもらいましょう。
答える方は当てずっぽうで答えるのではなく、自信をもって答えるようにしましょう。
MCI(軽度認知障害)の予防方法
自宅でできるMCIの予防方法が世界一受けたい授業で紹介されていました。
1,料理
料理は『段取り』『いくつもの手順』を同時にこなすため、脳の働きを良くします。
これがMCI予防になります。
2,筋トレ
筋トレは筋肉に刺激を与えるため、『感覚機能』が向上します。
3,左右で異なる動きをする
左右で異なる動きをすると脳が混乱するのですが、これが脳の活性化につながり、MCI予防になります。
例えば片方の手でボールを上に繰り返し投げ、片方の手でスカーフを回すという動きをすることで脳が活性化します。
4,30分以内の昼寝
30分以内の昼寝は認知機能をアップさせることがわかっています。
5,カマンベールチーズを食べる
カマンベールチーズを作る時、ミルクを白カビで発酵させるのですが、このミルクにアミロイドβや脳内の老廃物を減少させる効果があることがわかったのです。
これはマウスを使った実験で明らかになりました。
『MCI(軽度認知障害)の簡易チェック方法【スマヌ法】』のまとめ
上記の簡易チェック方法も【スマヌ法】も、どちらもMCIの疑いを見るチェック法です。
上記のチェックで不安がある方は、MCIの血液スクリーニングテストを受けることで診断することができますので、MCIの血液スクリーニングテストを行っている病院で診てもらうようにしてください。