すい臓がんは「発見されたときには手遅れ」「がんの中でも死亡率が飛びぬけて高い」と言われていました。
しかしそんなすい臓がんをも治療することができる最新治療がナノナイフ治療です。
たけしの家庭の医学で紹介されていたナノナイフ治療について、詳しく紹介したいと思います。
ナノナイフ治療とは?
『たけしの家庭の医学』より引用 HP以下、同じ
ナノナイフ治療で使う医療器具は、長さ15センチほどの特殊な針がついた器具です。
ナノナイフの針の先端からは3000ボルトの高圧で電流が流れる仕組みになっています。
このナノナイフを4本、がん細胞の周りに刺し、それぞれ通電させることでがん細胞にダメージを与えます。
通電は心臓の鼓動に合わせてコンピューターが自動で行うため、ミスはまずありません。
ナノナイフによって電流を受けたがん細胞には、10万分の1ミリの穴(ナノサイズの穴)が無数に空き、がん細胞が死滅します。
このナノナイフ治療は、がん細胞の周囲の健康な細胞にもダメージを与えますが、健康な細胞は通常1~2週間で再生するため問題はありません。
これまでの、メスを使った臓器の一部摘出手術よりもダメージが少ないのがナノナイフ治療の特徴です。
ナノナイフ治療によるすい臓がん再発率
このナノナイフ治療によるすい臓がんの再発率は、すい臓がんのあった部分(局所)ではありますが、再発率は3%と非常に良い成績となっています。
また平均余命は2年以上となっており、通常のすい臓がんの余命1年よりも倍以上となっています。
平均余命が2年と言われると少ないように感じますが、ナノナイフ治療はまだ臨床が始まったばかりであるため、治療後(つまり予後)のデータが極端に少ない状態です。
そのため、治療予後の余命のデータが集まっていないのです。
ナノナイフ治療が一般化すれば、ナノナイフ治療による平均余命はもっと長くなると思います。
すい臓がんはどんな病気?
すい臓がんになっても症状がほとんどないため、発見が遅れやすいという特徴があります。
また、膵臓は他の内蔵や血管に囲まれている内蔵であるため、すい臓でがん細胞が大きくなると、すぐに血管や他の内臓に侵食してしまいます。
重要な血管を巻き込んでがん細胞が大きくなるため、手術をしようにも重要な血管を傷付けてしまうため、手術のしようがなくなるのです。
そのためすい臓がんの発見時にはほとんどの人が手遅れの状態になるのです。
すい臓がんの死亡率は9割!
たけしの家庭の医学で紹介していたのですが、すい臓がんにかかる人は年間に33,000人。
それに対する死亡者数は30,000人。つまり、すい臓がんと診断された人の9割の方は死亡しているということです。
ナノナイフ治療による再発率は局所ではありますが3%です。
また、ナノナイフ治療はがん細胞が周囲の血管に少々侵食していても受けることができる治療ですので、ナノナイフ治療が一般化すれば、すい臓がんの死亡率はもっと減ると思われます。
『ナノナイフ治療によるすい臓がんの再発率は3%以下!』のまとめ
たけしの家庭の医学では、実際にすい臓がんと診断された男性がナノナイフ治療を受け、がん細胞が消滅しているのが確認されました。
こちらの男性は手術によってがん細胞を取り除く予定だったのですが、がん細胞が周囲の動脈に大きく侵食していたため、手術不可能と判断されていた男性です。
その男性がナノナイフ治療によってすい臓がんが消滅したのですから、これは本当にすごいことです。
本来であれば、手遅れの状態だったわけですから。
このナノナイフ治療は現在臨床の段階で一般的な治療方法ではありません。またナノナイフ治療を受けるためにはいくつかの条件も必要です。
現段階では保険外の治療法ではありますが、数年後には保険適用内の治療になると思われます。