ジャガイモシロシストセンチュウとは、じゃがいもの根に寄生する線虫で、放っておくとじゃがいもの収穫量が激減する恐ろしいセンチュウです。
『Wikipedia』より引用 HP
ジャガイモシロシストセンチュウは今まで日本では発見されていなかった種類ですが、初めて北海道で生息が確認されました。
ジャガイモシロシストセンチュウの対策や人体への影響などをまとめてみました。
ジャガイモシロシストセンチュウの人体への影響
まず気になる人体への影響ですが、ジャガイモシロシストセンチュウに寄生されたじゃがいも食べても人体に影響はありません。
まったくの無害です。
基本的にジャガイモシロシストセンチュウは、じゃがいもなどのナス科の植物に寄生し、その他の植物には寄生しません。
人体への影響という意味では、ジャガイモシロシストセンチュウは恐れることはありません。
しかし、ジャガイモシロシストセンチュウは駆除が難しいセンチュウでじゃがいもの生産量に甚大な影響を与えるため、『食料減』という意味では非常に深刻な問題です。
ジャガイモシロシストセンチュウの発生地域
もともとはジャガイモシロシストセンチュウは、北米や東南アジアで確認されています。
アメリカ(アイダホ州)
カナダ
ロシア
インド
ヨーロッパ
ペルー
ニュージーランド
今までジャガイモシロシストセンチュウは日本では発見されてませんでしたが、海外のジャガイモシロシストセンチュウの発生地域の土壌が入ってきたことで、北海道網走市での一部の土壌での定着が確認されました。
ジャガイモシロシストセンチュウの駆除方法
日本では、ジャガイモシロシストセンチュウの仲間であるジャガイモシストセンチュウ(『シロ』の文字がないだけ)という線虫がいましたが、こちらは駆除がある程度可能です。
しかし今回、日本の北海道で発見されたジャガイモシロシストセンチュウ(『シロ』の文字が入っている)は、駆除が難しい線虫として認識されています。
ジャガイモシロシストセンチュウの特徴
ジャガイモシロシストセンチュウのメスは交尾後、体内に卵を残したままシスト(包のう)状態になり、乾燥や低温に強くなります。
卵が強いシェルターの中に包まれたような状態でそのまま20年以上も生息し、じゃがいもの根がシスト(包のう)に接触すると卵が孵り、じゃがいもに寄生します。
強いシェルター(シスト)で卵が守られているため、駆除が難しいのです。
ただし完全に駆除ができないというわけではありません。
駆除方法その一
ジャガイモシロシストセンチュウは『ナス科の植物にだけ』寄生します。その他の植物には寄生しません。
つまり、ジャガイモシロシストセンチュウが見つかった土壌で別の作物を育てると、ジャガイモシロシストセンチュウは寄生先が見つからず、徐々にその数を減らしていきます。
駆除方法その二
ジャガイモシロシストセンチュウを成長促進させる薬剤を土壌に塗布することで、シスト(包のう)から卵を孵させ駆除を早めるという駆除方法もあります。
ジャガイモシロシストセンチュウの厄介なところはシスト(包のう)の中で何年も、何十年も守られている点です。
シストから早く孵し、守られていない状態の時に攻撃すれば大ダメージを与えることができるのです。
上記の駆除方法を併せて行うことで、時間はかかりますがジャガイモシロシストセンチュウを封じ込めて減らしていくことができます。
『ジャガイモシロシストセンチュウとは?対策と人体への影響』のまとめ
ジャガイモシロシストセンチュウは振り込めによって数を減らしつつことは可能ですが、根絶は難しいとされています。
現にアメリカのアイダホでは、3600万ドルかけて駆除や封じ込めを行っているものの、根絶には至っていません。
じゃがいもは日本でも重要な食料の一つです。
政府は本腰を入れてジャガイモシロシストセンチュウを封じ込め、可能なら根絶をするための施策を示さなければならないと思います。